昼狐 (ひるぎつね)
ある夏の日、上福井の老婆が大船山へ芝刈りに行った。
すると三十間(約55m)程離れた所の切り株に、顔見知りの子供が背を向けて座っていた。
老婆は大声で何度も呼びかけたが、子供は返事はおろか振り向きさえしなかった。
夕方、村へ戻った老婆は顔見知りの子供に「今日、山で声をかけたが聞こえなかったのか」と尋ねると、子供は「今日は山へ行っていない」と答えた。
老婆が山で見た子供は“昼狐”が化けたものだった。
以来、その子供は大船山へ行くのを怖がるようになったという。
『福井百年誌』「妖怪篇 -福井の伝説-」より
狐や狸など、夜に活動する動物を「夜物」と言いますが、この狐は日中にも関わらず化かしてきたから「昼狐」と呼ばれたのでしょうか。
伝承地:舞鶴市上福井