負うてくれえ狸 (おうてくれえだぬき)


昔、中野に「負うて(背負って)くれえ」と声をかけるものが出ると言われていた。
ある男が「それなら負うてやろう」と思い、袋を持って中野へ行った。
すると「負うてくれえ、負うてくれえ」と肩越しに後ろから声がする。
男が「負うてやるからこの袋に入れ」と言うと、何かがこそこそと袋へ入ったので、口を結び、担いで持ち帰った。
戻ってから袋を開けて中を見てみると、大きな古狸がきょとんとしていたという。
それ以来「負うてくれえ」というものは出なくなったという。

『丹後の民話(1) 狐狸ものがたり』「負うてくれえ狸」より


伝承地:京丹後市丹後町中野