屋根をめくる狐 (やねをめくるきつね)*
吉兵衛という男が家に帰る途中、道のそばで眠る大きな狐を見つけた。
狐は驚いて逃げていったが、寝ていた所に丸い玉が残されており、吉兵衛はその玉を拾って帰った。
その夜、吉兵衛が眠っていると、外から「吉兵衛さん、今日拾った玉を返して下さい」という声が聞こえた。
だが吉兵衛が断ると、声は「返してくれないなら屋根をめくるがそれでも良いか」と脅してきた。
吉兵衛は「めくりたければいくらでもめくれ」と言い捨て、再び眠りについた。
すると上からガサガサと屋根草をめくる音が聞こえ、大穴が空いて吉兵衛の所から夜空の星が見えるようになった。
怒った吉兵衛は「そんなに欲しいなら持っていけ」と玉を外に放り投げ、そのまま眠りについた。
翌朝、外に出て確認すると、屋根のどこにも穴は空いていなかったという。
『丹後の民話 第二集 ふるさとのむかしばなし』「きつねの玉を拾った男」より
伝承地:京丹後市網野町