章魚引松 (たこひきまつ)


昔、宮津の阿蘇海に巨大な章魚(タコ)が棲んでいた。
だが寿命が尽きたのか、ある日章魚は屍となって海面に浮かび上がった。
章魚は頭だけで六畳敷(約10㎡)以上の大きさだったので、簡単には陸へ引き上げられなかった。
そこで村人たちは海岸に立つ大きな松の梢に轆轤を取りつけ、綱を使って引き上げたという。
以来、その松は“章魚引松”と呼ばれるようになったが、明治末頃に伐り倒されてしまった。

『郷土と美術』昭和十六年一月号「橋立の名松」より


伝承地:宮津市文殊の海岸付近