成相寺の大蛇 (なりあいじのだいじゃ)*
成相寺の境内には底なしと言われる池があり、そこに大蛇が棲んでいたという。
毎年、寺の小僧は池に盥を浮かべ、それに乗って蓮の花を摘んでいたが、いつも大蛇に呑まれていた。
そこで和尚は小僧に似せた藁人形を作り、中に火薬を詰めて池に浮かべた。
大蛇が罠とは知らずに藁人形を呑み込むと、体内で火薬が弾け、腹が破れた。
苦しみながら山を下りた大蛇は麓の国分寺まで辿り着き、そこでふと頭を上げたところ、釣り鐘に頭が引っかかって抜けなくなった。
大蛇は釣り鐘を被ったまま阿蘇海(天橋立の内海)に入り、天橋立の南、文殊の辺りまで泳いだ。
だが腹に開いた穴から海水が入り、遂に力尽きて海に沈んだという。
『みやづの昔話 -北部編-』「成相山の大蛇」
『宮津市史 史料編 第五巻』「底なし池」より
人食い大蛇に火薬や毒入りの人形を呑ませて退治する話は各地に見られ、丹波地方にも幾つか伝えられています。
広島県府中市の青目寺には、火薬入り藁人形を呑んで死んだ大蛇の頭蓋骨が今も保管されているそうです。(『広島の伝説』)
「弁天池」「蓮池」「澄まずの池」とも呼ばれているそうです。
今は大蛇の代わりに亀が棲んでいるようで、撮影時も優雅に水中を泳いでいました。
伝承地:宮津市成相寺・成相寺(字が「成相寺」なのでちょっとややこしい)
