雪ばさ (ゆきばさ)


ある雪の日、旅人が一軒の家に宿を求めた。
家の老婆は「私が寝ているところを見ないなら泊めてやる」と言うので、旅人は承諾した。
だが旅人は興味をそそられ、密かに覗き見ると、老婆は八畳間に一杯になって眠っていた。
翌朝、老婆は「見るなと言ったのに見ただろう」と旅人を問い詰めた。
旅人はごまかしきれず「八畳間に白いものが一杯に敷いてあったが、よく見えなかった」と答えた。
すると老婆は「私が白かったか黒かったかということは誰にも言うな。黙っているなら殺さないでおいてやる」と旅人に固く口止めをした。
雪の結晶は五角とされるが、“雪ばさ”は四角か五角か、白いのか黒いのか、旅人は誰に聞かれても話さなかったという。

『みやづの昔話 -北部編-』「雪婆」より


「八畳間に白いものが一杯に敷いてあった」とありますが、雪ばさはカーペットのように薄く拡がって寝ていたということでしょうか。

伝承地:宮津市日ヶ谷