帰ってきた毘沙門天 (かえってきたびしゃもんてん)


多門院村の興禅寺には毘沙門天の立像が祀られている。
天和二年(1682)、慶竜という男がこの仏像の噂を聞きつけ、盗み出して郷里の伊勢へ持ち帰った。
仏像は慶竜の家の棚に納められたが、夜になると風もないのにガタガタと揺れ出した。
見ると仏像が揺れ、可愛い声で「たんごへかえりたい、たんごへかえりたい」と言い、棚から下りて慶竜の枕元に立った。
それが一週間も続いたので、慶竜は困り果て、仏像を興禅寺へ返したという。

『舞鶴の民話 第四集』「帰ってきた毘沙門天」より


舞鶴には、持ち出された恵比寿像が「丹後に帰りたい」と泣く話が伝えられています。

伝承地:舞鶴市多門院