狐の火 (きつねのひ)
ある年の十一月中頃、谷内村の男が鰤を自転車に下げて漕いでいた。
その途中、道端に干してある稲架が炭火を熾したように燃えていたので、男は慌てて見に行った。
だが稲架の反対側は真っ暗で何もなく、稲架の火も消えていた。
だが稲架の反対側は真っ暗で何もなく、稲架の火も消えていた。
男は狐の仕業だと考え、再び自転車を漕ぎ出すと、今度は向かいから銀色の輪が近づいてきた。
誰かが無灯火の自転車を漕いでいるのだと思ったが、その輪は男の近くまで来ると信号灯のような赤色に変わり、すぐに見えなくなった。
男はすぐに寺へ行き住職に話したが、信じてもらえなかった。
後に男は奥大野の人から「戦時中、朝早く神社に参ると、口大野の方から汽車が走ってきた。だが客車に電灯がついているのに誰も乗っていない。その汽車は谷内辺りまで行くと、すうっと消えてしまった」という話を聞いたという。
後に男は奥大野の人から「戦時中、朝早く神社に参ると、口大野の方から汽車が走ってきた。だが客車に電灯がついているのに誰も乗っていない。その汽車は谷内辺りまで行くと、すうっと消えてしまった」という話を聞いたという。
『おおみやの民話』「狐の火(三)」より
狐は男の鰤を奪おうとしていたのでしょうか……?
また大宮町には他にも「雨の日に傘の縁に蛍のような火が灯った」「夜道を歩いていると後ろにいくつもの松明が灯った」など“狐の火”と呼ばれる怪火の話が伝わっています。
→偽汽車
→偽汽車
伝承地:京丹後市大宮町谷内、奥大野