水呑み竜 (みずのみりゅう)
ある年の夏、養老村では毎夜田圃の水路の水が涸れるという異変が起こっていた。
そんな中、ある村人が夜に白山神社の方からザワザワと音を立て、茶碗のような目を光らせながら水路へ降りて行く大蛇を目撃した。
それからしばらく経った後、山伏姿の男が村を訪れ、水路の異変を解決しようと提案した。
翌朝、村人たちが田圃へ行くと、涸れているはずの水路から満々と水が流れ出ていた。
村人たちが白山神社に行ってみると、本殿に設えてある木彫りの竜の鼻の穴に火箸大の金の棒が通されていた。
それからは水路の水が涸れることもなくなり、村は豊作が続いたという。
だがそれ以来、山伏姿の男を見た者はいなかったという。
『宮津の民話 -ふるさとのむかしばなし- 第一集』「水呑み竜」より
村人が見た大蛇は、夜毎水路の水を飲みに抜け出していた木彫りの竜だったんですね。
それにしても山伏は何者だったんだ……。
作りかけの龍の彫刻がコトコト動く話はこちら。
→吠える龍の彫刻(南丹市)
伝承地:宮津市大島