梨の杖 (なしのつえ)


昔、丹波にある長者が住んでいた。
長者の嫁は京都から嫁いできていたが、何らかの理由で離縁され、梨の木の杖を突きつつ故郷へ帰った。
その途中、嫁は老ノ坂から丹波を眺め、泣きながら「私の怨みから丹波には長者を二代続かせない」と言って杖を道端に突き立てた。
やがてその杖は根を張って大木になり「丹波に長者二代なし」と言われるようになった。

『口丹波口碑集』「梨の杖」より


『丹波志桑田記』では、佐伯秋高という長者の娘の桜姫が「丹波に長者二代無し、花は咲けども実は登(のる)な」と言って梨の木を植えた、とあります(桜姫が梨の木を植えた理由は不明)。


伝承地:亀岡市篠町王子-京都市西京区大枝沓掛町・老ノ坂峠