穴地蔵 (あなじぞう)


昔、浅茂川の曲がり角で舟が止まって動かなくなることがあった。
川底に沈んでいる地蔵が原因だとわかったが、引き上げた人たちは「どこかに隠せばいい」と考え、地蔵を吉津村と畑村の間に埋めてしまった。
すると吉津村と畑村で、老人が謎の病気にかかる、子供が神隠しに遭う、火事が起こるなどの怪事が続くようになった。
そこで寺に拝んでもらったところ、両村の間に地蔵が埋められていることがわかった。
早速地蔵を掘り出して祀ると、それから怪事は起こらなくなったという。

『丹後の民話 第一集 いかがのはなし』「吉津のお地蔵さん(穴地蔵さん)」より


この地蔵は“穴地蔵”と呼ばれ、吉津村では毎年四月十三日に祭りが行われていたそうです。


伝承地:京丹後市弥栄町等楽寺(吉津村・畑村共に廃村)