熊崎の天狗 (くまざきのてんぐ)
昔、熊崎村の王子山に天狗が棲んでいた。
山の中腹には大きな岩があり、天狗は秋の月夜になるとその岩に座って笛を吹いていたという。
ある時、天狗は村の某を山に連れ去り、笛の吹き方などを教えて大変可愛がった。
時には都見物に連れて行き、多くの人の前で珍しい芸を披露したこともあったという。
その後、某は無事に村へ戻って来たが、気の良い天狗はいつの間にか姿を消し、笛の音も聞こえなくなった。
やがて天狗は人々から忘れ去られ、大岩も苔むしてしまったという。
『園部101年記念誌「翼」みんなの歩みと未来への夢』「熊崎の天狗」より
伝承地:南丹市園部町熊崎・王子山