子安地蔵 (こやすじぞう)


小脇の子安地蔵は昔、斎宮神社(丹後町宮)に祀られていた。
だがある時、怒った龍神によって暴風雨が起こされ、神社が危なくなった。
子安地蔵は他の神と共に依遅ヶ尾山の尾根伝いに逃げ、小脇の地に辿り着いた。
嵐が静まった後、他の神は再び斎宮神社へ戻ったが、子安地蔵は小脇を安住の地と定めて残ったという。
それ以来、子安地蔵は小脇村の守り本尊として祀られるようになった。

ある年の冬、家が埋まる程の大雪が小脇村を襲った。
その夜のこと、子安地蔵を祀るお堂から赤子の泣き声が聞こえてきた。
村人たちは不思議に思いながらその声を聞いていると、やがて獣が唸るような音と共に大雪崩が起こり、村は押し潰された。
生き残った村人たちはお堂に集まったが、その時、雪の上に赤子の足跡が沢山ついているのを見つけた。
村人たちは子安地蔵が泣き声で雪崩を知らせてくれたのだと感謝し、地蔵を谷向かいの移住先に運んで祀り直したという。

『丹後の伝説 ふるさとのはなし』「子安地蔵」より


小脇村は昭和三十八年(1963)の豪雪をきっかけに廃村になり、子安地蔵は丹後町平の常徳寺に移祀されたそうです。


伝承地:京丹後市丹後町小脇