ついて来るもの(ついてくるもの)


大正八年(1919)の秋の日暮れ、下山の村人は富田で法事に参加し、土産のご馳走を詰めた重箱を背負って家に帰っていた。
だが広い道に出たところで後ろから誰かがついて来る気配がし、背中の重箱を触られているように感じた。
振り向いても誰もいないが、歩き出すとまた重箱を触る気配がする。
そこで村人は煙草に火を点けて吸いながら歩き出すと、ついて来る気配は消えた。
家に帰った後、家人に聞くと「それは狐に騙されたのや。煙草を吸ったから助かった」と言われたという。

『丹波町誌』「狐にだまされた話」より


伝承地:京丹波町富田