家に帰る魂 (いえにかえるたましい)
ある家の老婆が病院に入院していた。
だが遂に危篤となり、家族は嫁と子供を残して病院へ向かった。
すると夜十一時か十二時頃、家の障子に老婆の影が映った。
老婆が帰ってきたと思い声をかけると影は消え、戸を開けた先には誰もいなかった。
不思議に思っていると、病院から老婆が死んだという連絡が入った。
死亡時刻は、家の障子に影が映った頃だった。
老婆は家で死にたかったのだろうと話していたという。
『語りによる日本の民話 10 丹後 伊根の民話』「家に帰る魂」より
伝承地:伊根町峠