狐の提灯 (きつねのちょうちん)


夜に遠くの方で幾つもの提灯のような灯りがゆらゆらと揺れ、浮遊しながらあちこちに移動することがある。
これを「狐が提灯を灯す」という。
灯りはずっと遠い所に見えるが、実は狐はすぐ目の前にいて、人の目を上手く眩ませているのだという。
ある女性は子供の頃(明治四十一、二年)、遥か向こうの山裾に青白い光が三つ灯り、行ったり来たりを繰り返しているのを見たことがあった。
だがその不気味な灯りが怖くなり、家へ駆け込んだという。

『近畿民俗』136,137号「丹波美山の言葉と民俗」より


伝承地:南丹市美山町深見?