大江山へ逃げた鬼 (おおえやまへにげたおに)


昔、宮村の斎神社に多くの鬼が棲み、夜な夜な略奪を繰り返していた。
そこで斎神社の神は村境に地蔵を建て、節分の夜以外は外へ出ることを禁じた。
だが鬼たちはその掟を守らず、遠くの村へ行って略奪を働いた。
怒った神は「鬼祭をするから集まれ」と鬼たちに呼びかけ、松縄手で大宴会を催した。
そして鬼たちが酔っ払った頃合いで沢山の使いを呼び出し、一斉に弓を射かけた。
ほとんどの鬼はそこで射殺されたが、生き残った鬼たちは立岩へ逃げ出した。
神は「あとを見、あとを見」と言いながら追いかけ、振り向いた鬼を射殺していった。
振り向かなかった鬼は立岩から依遅ヶ尾にある抜け穴を伝い、丹波の大江山まで逃げていったという。

『丹後の民話 -第三集-』「鬼退治」
『丹後町の民話 -第二集-』「大江山へにげた鬼(宮)」より


この時生き残った鬼が大江山へ移り住み、後の酒呑童子一味になったのでしょうか。


立岩
立岩。
丹後町間人の海岸にそびえ立っています。
麻呂子親王がこの地にはびこる鬼を退治した時、その中の一匹(土熊)をこの大岩に封印したという伝承があります。
岩の中からは今でも鬼の慟哭が聞こえてくるんだとか……。



伝承地:京丹後市丹後町宮