高坐石 (たかくらいし)


葛野清住集落の奥山に幾つもの巨岩がそびえ立つ所がある。
そこに“高坐石”という、一面だけ綺麗な平面で、三面は苔むしている巨大な四面岩がある。
高坐石には不思議な力があり、宴会などで使う食器や道具が足りない時は、この石に参詣して願えば入用の品を借りることが出来たという。
だがある時、村の欲深い男が高坐石から品を借りたまま返さなかった。
するとそれ以来、高坐石は村人たちの願いを聞き入れなくなった。
村人たちは「あの欲深男のせいで高坐石がお怒りになったのだ」と噂したという。
その後、高坐石の噂を聞いたある石工は「石の中に黄金や宝石が隠されているに違いない」と考え、石に穴を開けようとした。
だが穴を穿っている途中、どこからともなく何本もの白羽の矢が飛んで来たので、諦めて逃げ帰ったという。
また、高坐石の上に乗るとポンポンと不思議な音が鳴るとも言われている。

『由緒を尋ねて』「葛野の高坐石」より


福知山市には、龍神に嫁ぐため井戸に沈んだ娘が食器を貸してくれる話(「椀貸伝説」)があります。


伝承地:丹波市氷上町清住