円成寺の金神 (えんじょうじのこんじん)*
ある夏の夜、円成寺の義門禅師は寺内の池でしきりに髪を洗う老人を見かけた。
禅師が声をかけると、老人は驚きつつも「私は鬼門の金神である」と答えた。
老人は「この寺の厠は鬼門の位置に建てられているので、毎日頭に不浄(糞尿)をかけられて困っている。祟ってやりたいが貴僧の高徳に打たれてそれもならず、毎夜こうして髪を洗っているのだ」と説明した。
そして「山門側の鬼門返しに当たる位置に祀り直してくれれば、末永く鬼門除けの神となるであろう」と言い残し、煙のように消えた。
その後、金神を山門側に祀り寺の守護神とすると、円成寺は方除けの寺として有名になったという。
『由緒を尋ねて』「小倉の円成寺」より
伝承地:丹波市柏原町下小倉・円成寺