鳴く蝉錠 (なくせみじょう)*
今田の八幡宮社に左甚五郎の作とされる蝉錠(蝉型の錠前)がある。
この蝉錠は季節外れに鳴き声を上げるので、人々は不思議がり稀代の宝として珍重していた。
慶長五年(1600)九月、福知山城主・小野木重勝は細川幽斎を討つべく丹後田辺城へ向けて出陣し、その途中で鍛冶屋村を攻撃した。
ただ一人生き残った女は八幡宮社の社に隠れたが、追っ手に扉の外から刀を五度(七、八度とも)突き通され殺された。
その時、偶然刀が蝉錠に刺さり、それ以来、蝉錠は鳴き声を上げなくなったという。
『豊郷村誌』「八幡宮社」
『あなたの話が聞きたい』「今田八幡宮」より

八幡宮社は今田町と小西町の境に鎮座しています。
『豊郷村誌』には「社の扉に刺突した時の刀痕が残っている」とありますが、社殿は何度か改修されているため、もうその痕跡は残っていません。
改修の時に撤去されたのか、蝉錠も現存していないようです。
伝承地:綾部市今田町・八幡宮社