三坂の稲荷山の狐 (みさかのいなりやまのきつね)
昔、周枳の村人が宮津の祭に呼ばれ、日暮れにご馳走を背負って帰っていた。
だが、三坂の稲荷山の麓から周枳の猫山まで来ると、稲架(稲を乾かすための木組みの設備)が道を塞いでいた。
稲架を越えなければ先に進めないので、村人は背中のご馳走を気にしながら狭い木の間を通り抜けた。
「こりゃ狐にやられたんだな」と思い、周枳の方を見ると、鬼山という山の麓で灯りがゆらゆらと動いていた。
村人は恐ろしくなり、無我夢中で家に帰ったが、背中のご馳走は無事だったという。
『おおみやの民話』「三坂の稲荷山の狐」より
伝承地:京丹後市大宮町周枳