狐のへっぽん返し (きつねのへっぽんがえし)


ある老人が祭に呼ばれ、もらった油揚げや小豆飯を蝙蝠傘の先にくくりつけ、夜道を歩いていた。
すると狐が油揚げを狙い、後ろから傘の先をちょいちょいと弄った。
老人は狐が弄っているとは知らず、「土産がぶらりぶらりする」と思い、傘の先を前に回した。
そうして家に帰ったが、妻に「顔中に泥が塗られている」と指摘され、老人は自分の顔が泥塗れになっていることに気づいた。
老人は「帰る途中、後ろに下げていた土産が揺れるので傘を前に回したんだが、狐がそれに腹を立てて顔に泥を塗ったんだろうか。狐のへっぽん返し(仕返し)だ」と語ったという。

『丹後の民話 1 狐狸ものがたり』「狐に泥をぬられたはなし」より


伝承地:福知山市大江町のどこか