屋敷まわり (やしきまわり)


甲山の中地氏の家に、長さ約2m20cm、胴回りは湯呑茶碗程の太さの大蛇が棲みついていた。
これは“屋敷まわり”と呼ばれる青大将で、戦後から中地家で目撃されるようになり、その後も土蔵やケタ(天井の物置)の上などで見られたという。
屋敷まわりは白光りする胴体を大きく膨らませ、ノロノロと物陰に隠れる。
人が見ていても気にせず、追い出そうと竹で突くと、頭をコツンコツンと当ててくるという。
特に害はないので家の主として放っておかれ、三十年以上も中地家に棲んでいたが、ある時、近くの広場の草むらで目撃されたのを最後に姿を見せなくなったという。

『現代民話考 [9] 木霊・蛇・木の精霊・戦争と木』「家の主・屋敷守」より


伝承地:京丹後市久美浜町甲山