蛇の化身 (へびのけしん)
昔、上成松村の山中に「おだまきの池」という池があった。
その頃、夜になると新郷村に美しい若者が、大谷村に美しい娘が姿を現すようになった。
二人はそれぞれの村を出発し、上成松村の山裾で合流すると、そのままどこかへ姿を消した。
その噂を聞いた大谷村の助十という男は、邪なことを考え、ある夜、娘の跡をつけた。
ところが娘は途中で尾行に気づき、振り返って助十をじっと見つめた。
すると助十の体は震え出し、足が動かなくなったという。
やがて村人たちの間で「若者と娘は蛇の化身ではないか」と噂されるようになった。
だがその噂が広まると、それ以来二人は姿を見せなくなったという。
二人の蛇の化身は、毎夜おだまきの池で出会い、逢瀬を交わしていたという。
『由緒を尋ねて』「成松おだまきの池」より
昔、おだまきの池のそばには大きな古松が生えていました。
その松はものすごい大木で、黒田(上成松の隣の地区)まで枝をかざしていたそうです。(『丹波志』)
ただ残念ながら、おだまきの池も大きな古松も現存していません。
若者と娘はどこへ行ってしまったんでしょうね。噂されて居づらくなったのかな。
若者と娘はどこへ行ってしまったんでしょうね。噂されて居づらくなったのかな。
伝承地:丹波市氷上町上成松