わにわ口の大蛇 (わにわぐちのだいじゃ)*
昔、三津の村人が徳良山(徳楽山)へ薪拾いに行った。
すると「シューッ」という音が聞こえ、大蛇が村人の方へ近づいてきた。
驚いた村人は死に物狂いで山を下り、人々に大蛇のことを知らせたが、「大蛇なんているわけがない」と言って誰も信じなかった。
その翌日、別の村人が徳良山へ行くと、登山口にある一石一字塔が倒され、横の笹藪が薙ぎ倒されていた。
不思議に思い、笹藪を辿って行くと、辺りを見渡せる広い場所に出た。
するとそこから「わにわ口」という川で水を飲む大蛇の姿が見えたので、村人は急いで村に戻り、大蛇のことを知らせた。
人々は「これで二回目だ。大蛇がいるというのは本当かもしれない」と言って、力自慢の男五人を大蛇退治に向かわせた。
そして男たちはわにわ口へ行き、大蛇に木や石を投げつけて攻撃したが、全く効果がなく、一人を残して全員呑み込まれてしまった。
一人生き残った男は命からがら村へ戻り、鬼を退治したことがある六右エ門という男に大蛇退治を頼んだ。
六右エ門は承諾し、刀を携えて山を登って行った。
そしてわにわ口で大蛇を見つけ、渾身の力で首元を斬りつけたが、全く効かず、跳ね飛ばされてしまった。
そしてわにわ口で大蛇を見つけ、渾身の力で首元を斬りつけたが、全く効かず、跳ね飛ばされてしまった。
そこで六右エ門は近くの大木を切り倒し、それに火を点けて大蛇に投げつけた。
すると大蛇の体はみるみる炎に包まれ、わにわ口に落ち、海まで流されて沈んだ。
それ以来、わにわ口で泳ぐと大蛇が出ると言われ、子供たちはそこで泳がなくなったという。
『三津むかしばなし』より
暇潰しに大蛇に化けて女を脅かす山の権現様。
伝承地:京丹後市網野町三津(丹後町間人)・徳良山