御札を降らせた古狸 (おふだをふらせたふるだぬき)*
明治二年(1869)、葛野村に大神宮(大宮賣神社?)の御札や一文銭が降った。
これは葛野に棲む古狸の仕業で、村人を化かして大騒動を起こした。
これは葛野に棲む古狸の仕業で、村人を化かして大騒動を起こした。
この騒動を聞いて久美浜の役人が調査に来たが、その時、老婆の挽いていた臼の上臼が天井裏まで吊り上がった。
役人が上臼を棒で突くと、先端にかい餅(籾を蒸した餅)が貼りついた。
それで村中の者が赤襦袢を着て、「よいじゃないか、よいじゃないか」と言って踊り回ったという。
『おおみやの民話』「古狸の仕業」より
葛野ではこの騒動の二年前、慶応三年(「ええじゃないか騒動」が流行した年)にも高山という人工山の頂上から御札や金が降ったことがありました。
その時、村の人々は「有難いことじゃ、福の神が舞い込んだ」と喜び合い、高山に八百万神社の仮殿を建てて盛大な祭を催し、「よいじゃないか、よいじゃないか」と言いながら何日も踊り狂ったそうです。(『湊生活百年史』)
古狸はこの時の騒動を真似て御札を降らせたのでしょうか。
上臼を吊り上げたのも古狸の仕業?
同じく、与謝野町岩滝でも慶応三年に「ええじゃないか騒動」が起こりましたが、その時は夜間に神社の剣先札が家の門口や中庭へ落ちて来て、それを見た村の人々は「神様からお下がりがあった」と喜び合い、踊り狂ったそうです。
当時を知る古老によると、この騒動の最中、深夜の空に飛行機の飛ぶような音が轟々と響き、黒い影が目撃されました。
その影を見た人は「天狗だ、狗賓だ」と言って怖がっていたそうです。(『岩滝町誌』)
伝承地:京丹後市久美浜町葛野