鏡峠の送り狼 (かがみとうげのおくりおおかみ)


昔、ある人が鏡峠を越えて多紀郡(丹波篠山市)へ法事に行き、ご馳走を入れた重箱を背負って帰り道を歩いていた。
やがて日も暮れたので、提灯を点けて急ぎ足で鏡峠を下りかけたが、後ろからピタピタ、ピタピタ、と誰かがついて来るような足音がした。
怖くて振り返ることも出来ず、我慢して歩いていると、急に背中の荷物が軽くなった気がしたが、すぐにまた重くなった。
そして家に帰り着き、背負っていた重箱を開けてみると、中には石が沢山入っていたという。
昔の人は「送り狼に送られたんだ」と言っていた。

『大路にまつわる言い伝え・昔話』「狐や狸に化かされた話(その一)」より


送り狼(送り犬)といえば、後ろからついて来て転んだ人を喰い殺すという妖怪ですが、鏡峠の送り狼は人ではなく食べ物を狙ってつけて来るようです。
狐狸の類が荷物を盗む時のやり口に似ていますね。

その他の送り狼


伝承地:丹波篠山市小坂、丹波市春日町中山(現在鏡峠は廃道)