若森の観音 (わかもりのかんのん)


昔、八五郎という男が殿谷峠の麓で畑仕事をしていた。
すると一人の坊主が通りかかり、「足が痛くて歩けないので若森まで送ってくれませんか」と頼んできた。
八五郎は承諾し、坊主を背負って若森まで送り、大きな石の上に降ろして帰ろうとした。
その時、坊主に「決して後ろを振り向いてはいけません」と強く言われたが、八五郎は好奇心から途中で後ろを向いてしまった。
すると若森の観音の方へ、一本の白羽の矢(大きな鷹とも)が飛んで行った。
その後、八五郎は約束を破ったことで盲目になり、若くして死んでしまったという。

『園部町の口碑、伝承 おじいさんたちの話』「こしかけ石と観音さん」より


若森の観音とは、園部町の普済寺にある観音堂のことです。
ちなみに、若森から殿谷へ通じる道の途中の三田という所に「腰かけ石」という平らな石があり、坊主はこの石に腰を下ろして休憩したと言われています。
この石に腰かけると罰が当たり、お尻が引っ付いてしまうと言い伝えられているので、誰も座らないそうです。(『忘れかけたふるさとのお話』)


伝承地:南丹市園部町若森