蘇った男 (よみがえったおとこ)


丹波国船井郡藍田村に山田彦七という信心深い若者がいた。
だが元禄二年(1689)十二月一日、彦七は二十七歳で死亡した。
ところが翌日に蘇生して、「私は冥途に行き、この仏舎利を頂戴してきた」と語った。
その左掌には光り輝く仏舎利が握られており、村人たちは不思議な結縁だと言って彦七の元へ集まり念仏を唱えた。
すると三日後の丑の刻、彦七は穏やかに大往生を遂げた。
その後、仏舎利を探したがどこにも見当たらず、村人たちは「彦七が冥途へ持って行ったのだろう」と噂したという。

『新著聞集』「蘇生して冥途の舎利を持来す」より


伝承地:京丹波町のどこか(船井郡に藍田村という村はない)