茶臼山のお万狐 (ちゃうすやまのおまんきつね)
昔、結婚式には必ず鯛の焼き物が出され、それを嫁の故郷へ持ち帰る習わしがあった。
その頃は車もなく、樽持ちという人が天秤棒に荷物をかけて持ち帰っていた。
ある時、樽持ちが結婚式で出された鯛の焼き物を担いで安尾峠の池の細道を歩いていると、荷物がガタンと音を立てた。
特に変わった様子もないので気にも留めず家に帰ったが、荷物を開いてみると鯛の焼き物がなくなっていた。
これは厚集落から拝師集落までの出来事で、狐の仕業だったという。
厚の安尾峠には夜な夜な狐が出て人を騙していたので、誰言うとなく“茶臼山のお万狐”と名づけていたという。
『語りつぐ 福知山老人の知恵』「茶臼山のお万きつね」より
お万狐の棲み処(?)の茶臼山は安尾峠の北側の低い山で、昭和の頃は山上にホテルがあったそうです。
伝承地:福知山市厚