大左衛門 (だいざえもん)
昔、洞村に“大左衛門”という大男がいた。
ある日、大左衛門は酒屋に酒の運搬を頼まれ、四斗樽を四つ担いで口郡(船井・亀岡方面)へ向かった。
無事に酒を届けたものの、一度に一石六斗(樽を含め約280kg)の荷物を急いで運んだので、大左衛門は猛烈な空腹に襲われた。
そこで配達先の主人から魚や野菜、米などをもらって洞村まで戻ると、ちょうど正三角形に対峙してそびえる三つの山の頂点に大鍋を置き、山を五徳代わりにして食材を煮炊きし始めた。
だが途中で空腹に耐えきれず、食事を取ろうと大鍋の取手に両手をかけ、腰を屈めて持ち上げようとした。
するとその時、大左衛門の額が五十町(約5km)離れた所にある洞の山につかえ、体を起こした拍子に山を押し上げてしまった。
そのため、洞の山は周囲の山よりも一段高くなり、「大爺ヶ額(おおじじいがひたい)」と呼ばれるようになった。
『美山伝承の旅』「大爺ヶ額と大男」より
その他の巨人伝説
伝承地:南丹市美山町豊郷