大蛇の復讐 (だいじゃのふくしゅう)


昔、ある村の外れに猟師が住んでいた。
猟師は何度結婚しても嫁が早死にし、これまでに六人の嫁に先立たれていた。
ある日、美しい娘が猟師の家を訪れ、一夜の宿を求めた。
娘はそのまま家に住むようになり、猟師は甲斐甲斐しく働く彼女に嫁になってほしいと思っていた。
それからしばらく経ったある夜、猟師は井戸の水を掻き出すような音で目を覚ました。
井戸では娘が水浴びをしており、水をかぶる度、徐々に恐ろしい大蛇へと姿を変えていった。
猟師は何も見なかったことにして眠ったが、次の夜も娘は同じように水を浴びては徐々に大蛇の姿になっていった。
猟師はその姿を最後まで見られずにいたが、三日目の夜、「今夜は最後まで見てやろう」と考え、寝たふりをして娘の様子を窺っていた。
やがて娘は静かに起き上がると、井戸で水浴びを始め、水を五杯かぶったところで遂に恐ろしい大蛇に姿を変えた。
そして娘はグーッと手を伸ばし、家の中へ逃げ戻ろうとする猟師を捕まえると、「かつてお前は私の母を撃ち殺したので、その復讐に嫁を六人共殺してやった。次はお前を殺そうと思っていたが、正体を見破られてしまい残念だ」と言って、その場に倒れて死んだ。
その後、猟師はこの大蛇を神として祀ったという。

『みやづの昔話 -北部編-』「大蛇の復讐」より


大蛇の復讐に巻き込まれて殺された六人の嫁が不憫…。


伝承地:宮津市松尾