丹波・丹後の妖怪あつめ

京都府北部(丹波・丹後地域)の怪異妖怪伝承を紹介するブログです。

奇石

高坐石

高坐石 (たかくらいし)


葛野清住集落の奥山に幾つもの巨岩がそびえ立つ所がある。
そこに“高坐石”という、一面だけ綺麗な平面で、三面は苔むしている巨大な四面岩がある。
高坐石には不思議な力があり、宴会などで使う食器や道具が足りない時は、この石に参詣して願えば入用の品を借りることが出来たという。
だがある時、村の欲深い男が高坐石から品を借りたまま返さなかった。
するとそれ以来、高坐石は村人たちの願いを聞き入れなくなった。
村人たちは「あの欲深男のせいで高坐石がお怒りになったのだ」と噂したという。
その後、高坐石の噂を聞いたある石工は「石の中に黄金や宝石が隠されているに違いない」と考え、石に穴を開けようとした。
だが穴を穿っている途中、どこからともなく何本もの白羽の矢が飛んで来たので、諦めて逃げ帰ったという。
また、高坐石の上に乗るとポンポンと不思議な音が鳴るとも言われている。

『由緒を尋ねて』「葛野の高坐石」より


福知山市には、龍神に嫁ぐため井戸に沈んだ娘が食器を貸してくれる話(「椀貸伝説」)があります。


伝承地:丹波市氷上町清住


化け石

化け石 (ばけいし)


中京区醒ヶ井通錦小路下る東側の民家の横に、狸が憑いている石がある。
夜に前を通ると石が壁に化けて通さなかった、石を蹴った人が病気になった、石が煙草を吸っていた、というような話があり、人々はこの石を恐れている。
また丸太橋(丸太町橋?)辺りには、毎夜位置が変わる石があるという。

『改訂 京都民俗志』「化け石」より


大猫に化けて武士に斬られた化け石の話はこちら。


伝承地:京都市中京区醒ヶ井通錦小路下る(石の位置は不明。現存していない?)


出雲石

出雲石 (いずもいし)


下常のヲテ山の谷に6m程の巨岩がある。
昔、大江山の鬼が磯砂山(*)をまたいで越そうとした時、草鞋の間に挟まっていた砂粒が落ちた。それがこの岩だという。
また、下常の氏神が旧暦十月二十八日に出雲(島根県)から戻る時、草履についた砂粒がヲテ山に落ちた。
それは出雲の砂粒だったので“出雲石”と呼ばれるようになったという。

『岩屋あれこれ』「出雲石」より


(*)京丹後市峰山町にある標高約660mの山。天女が舞い降りた伝説がある。


伝承地:与謝野町岩屋


雨降り石

雨降り石 (あめふりいし)


粟野谷を流れる大井川と大谷川との合流地点に子育て地蔵のお堂がある。
その向かいの田圃の中に高さ1m、幅3m余り、上部が平らな石がある。
人々はこの石を“雨降り石”と呼び、石に上ると雨が降る、あるいは落ちて必ず怪我をすると言って恐れ崇めている。
また、この石の上に蛇がいる時は雨が降るとも言われている。
ある時、村の青年が石の上に蛇がいるのを見たところ、その日の昼頃から雨が降り出したという。

『和知町 石の声風の音』「雨降り石」より


伝承地:京丹波町坂原(雨降り石の位置は不明。小字「アワノ谷」付近にある?)


姫岩

姫岩 (ひめいわ)


菟原下にある岩に耳を当てると、コットンコットンと機を織る音が聞こえる。
これを「お姫さんの機織り」という。
また、女性がこの岩の横にある坂道で倒れ、道に手をついた時は糸を岩に供えるとという。

『吾が古里のこぼれ話』「姫岩」
『三和町史 上巻』「姫岩」より


姫岩
姫岩は
梅田神社へ向かう坂道の横にあります。
岩の上には風化した地蔵のようなものが祀られていました。


姫岩後ろ
姫岩の裏側。結構大きいです。
試しに岩に耳を当ててみましたが、位置が悪かったのかそばを流れる川の水音しか聞こえませんでした。


伝承地:福知山市三和町菟原下



*2023/11/16 現地写真追加・本文修正

八幡岩

八幡岩 (はちまんいわ)


上稗生の小屋谷の奥に“八幡岩”と呼ばれる大岩があり、昔から「八幡岩を怒らせると怖い」と言われていた。
昔、ある人が伐った木を八幡岩の上に倒してしまい、頭痛に苦しめられた。
岩に酒と塩を供えて謝ると、頭痛はすぐに治まったという。

また、上稗生の小堂坂にある欅の大木を傷つけると災いが起こると言われていた。
そのため、道路拡幅の時もこの欅を避けてルートを決めたという。

『ふる里 生畑 ~暮らしのあゆみ 明日への道しるべ~』「稗生谷」より


伝承地:南丹市日吉町生畑


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