鳥の奥の怪物 (とんのおくのかいぶつ)


昔、天座の鳥の奥に怪物が現れ、娘を人身御供に要求した。
村人たちは困り果て、大歳神社に「天地のあらん限りの供物を献上するので救ってほしい」と祈願し、五俵の餅米を搗いて供えたところ、怪物は絶えたという。
それ以来、天座では年二回、大歳神社に五本の棒で搗いた餅米を供える「千本搗き」の神事が行われるようになった。

『ふるさと探訪 大江山』「千本搗き」より


また一説では、千本搗きの神事は、源頼光が大江山の鬼退治に来た時に行ったとも言われています。
その頃、天座の中で一番綺麗な娘を大江山の鬼に献上しなければなりませんでした。
そこで頼光は千本搗きで搗いた餅を鬼に供え、娘を取ることを我慢してもらったそうです。
これが千本搗きの神事の始まりだと伝えられています。(『語りつぐ 福知山老人の知恵』)
果たしてこれから討伐に行く鬼の機嫌を取る必要はあったのだろうか……。

ちなみに、千本搗きは歌を歌いながら五本の棒で搗いた餅米を集落の大歳神社に供える伝統神事ですが、現在は行われていないそうです。
現地の方曰く、何十年も前に廃れてしまい、神事の手順も詳しく伝わっていないので再現は難しいとのこと。
また怪物が現れるかもしれない。


鳥の奥
この辺りが鳥の奥です。
鳥の奥は天座の小字で、天座集落の奥、大江山の鬼嶽稲荷神社へ向かう山道の途中にあります。


看板
鳥の奥の入口には看板が立てられています。
内容は『ふるさと探訪 大江山』とほぼ同じですが、こちらは「怪物」ではなく「妖怪」表記になっていました。


伝承地:福知山市天座