熊の恩返し (くまのおんがえし)
昔、西大浦村の三人の猟師が山で熊穴を見つけ、鉄砲を構えて見張っていた。
すると穴から大きな熊が現れ、猟師たちの前に座り、手を合わせて涙をこぼした。
二人の猟師は「良い金になる」と喜んで撃とうとしたが、もう一人の心優しい猟師は熊を逃がしてやった。
だがしばらくすると別のオス熊が出て来て、また両手を合わせて命乞いをした。
優しい猟師は先程と同じように逃がそうと訴えたが、二人の猟師はオス熊を撃ち殺して村へ持ち帰った。
それから一年後の十二月、三人の猟師は例年通り山へ入ったが、大雪に見舞われ遭難してしまった。
数日後、二人の猟師の死体が谷底から発見されたが、優しい猟師の死体は見つからなかった。
家族は諦めて葬式を済ませたが、春になる頃、死んだと思われていた優しい猟師が戻って来た。
猟師は「雪山で遭難したが熊が助けてくれた。木の葉が敷き詰められた熊穴の中で寒さをしのぎ、腹が減れば熊の足の蜜を舐めた。帰りはその熊と生まれたばかりの小熊が雪をかき分け、村まで道案内をしてくれた」と話したという。
『舞鶴の民話 第三集』「熊のおんがえし(大浦)」より
同市三浜にも、雪山で遭難した男が熊に助けられる話があります。
ただこちらは恩を仇で返したため残虐エンドになっています。
伝承地:舞鶴市平