蛇池の大蛇 (へびいけのだいじゃ)*
津母の「蛇池」は、どんな旱魃でも涸れたことがないと言われている。
昔、この池に大蛇が棲んでいて、靄のかかった雨の日になると美女に化けて現れていた。
ある時、美女に化けた大蛇は村の男に見初められ、結婚して女児を産んだ。
ところが、出産の時に大蛇であることを男に知られてしまい、離縁されてしまった。
大蛇は離縁された後も男がいない時に家を訪れ、女児に乳を飲ませて育てていた。
やがて女児は成長し、着物や本を欲しがるようになったが、家は貧乏で買ってやることが出来なかった。
すると見知らぬ旅人が家を訪れ、女児に着物や本を与えて去って行った。
そんなある日、男は蛇池の畔で離縁した女と出会う夢を見た。
女は「離縁されてからこの池で暮らしていますが、私の力がなければ娘は育てられないと思い、片目を乳に見なして飲ませ、もう片目を着物や本に変えて与えました。ですが両目を失って何も見えなくなってしまったので、もう娘やあなたに会うことはないでしょう」と語った。
女は「離縁されてからこの池で暮らしていますが、私の力がなければ娘は育てられないと思い、片目を乳に見なして飲ませ、もう片目を着物や本に変えて与えました。ですが両目を失って何も見えなくなってしまったので、もう娘やあなたに会うことはないでしょう」と語った。
その後、男は女児を大切にし、立派に育て上げたという。
『語りによる日本の民話 10 丹後 伊根の民話』「津母の蛇池」より
いわゆる「蛇女房」タイプの異類婚姻譚です。
目玉を乳代わりに吸わせて育てるパターンはよく見ますが、目玉を着物や本に変えて与えるというのは珍しいですね。
伝承地:伊根町津母